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ふることふみにようこそ! 人目の訪問者です。参考文献、引用等は、水谷清 先生 著 古事記大講 です。
ふることふみ(古事記)
あめつち はじめ おこるのとき たかあまはら に なりませる かみの みなは あめのみなかぬしのかみ
75-1
あまてらすおおみかみ まづ たけはやすさのをのみことの みはかせる とつかつるぎを こひわたして みくだに うちをりて ぬなと ももゆらに あめのまないに ふりすすぎて さがみにかみて ふきすつる いぶきの さぎりに なりませるかみのみなはたぎりひめのみこと またのみなは おきつしまびめのみこととまをす
つぎに いちきしまびめのみこと またのみなは さよりびめのみこととまをす
つぎに たぎつひめのみこと
天照大御神 先乞度 建速須佐之男命 所佩十拳劔( あまてらすおおみかみ まづ たけはやすさのをのみことの みはかせる とつかつるぎを こひわたして)
打折三段而(みくだに うちをりて)
奴那登母々由良邇(ぬなと ももゆらに)
振滌天之眞名井而(あめのまないに ふりすすぎて)
佐賀美邇迦美而(さがみにかみて)於吹棄氣吹之狭霧(ふきすつるいぶきのさぎりに)
所成神御名(なりませるかみのみなは)多紀理毘賣命(たぎりひめのみこと)
亦御名(またのみなは)謂奥津嶋比賣命(おきつしまひめのみこととまをす)
次(つぎに)市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)亦御名(またのみなは)
謂狭依毘賣命(さよりびめのみこととまをす)次(つぎに)多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)
建速須佐之男命の十拳劔 とは、地氣の精(最も重要で中心的なもの、清らかで混じり気の無いもの、最も優れて美しいもの、万物を生成する霊気・生命の根源)を意味するのであります。
また別の表現をすれば、清純な地氣の精(地魄)が地中に出来て、熱気の為に沸騰上昇した蒸気の中に、ツル(蔓草)のように長く連なって混在している、生命の基になる種々の成分を含有した純白透明の淡い水溶液のようなものなのであります。
乞度(こいわたして)
祈り・願い・望み・求めて、こちら(自分)の方へ受け取ることであります。。
三段(みくだり)
三岐多(みきだ)であり、三つに分岐しながらも、一つの状態なのであります。
奴那登母々由良邇(ぬなとももゆらに)
ぬなと→(瓊音)(ヌは玉、ナは助詞ノに同じ、トは音)
もゆらに→振り滌ぐ時の、いとゆるやかな・なだらかな・旋律的は揺れ動きに合わせて、玉と玉が触れ合って鳴るさまをいいいます。
もゆらに→炎のゆらゆらと燃える様に、新芽の緩やかに萌え出る様に。
ぬなとももゆらに→天照大御神の八尺勾瑰之五百津之美須麻流之珠(いやさかあのまがたまあのいほつおのみすまるのたま)の球之緒が極めて緩やかに揺れて、玉と玉とが相触れ旋律的に鳴り・成り・生り響き、最も微妙なる霊と体との結合(むすび)が、神秘的に成就するのであります。
天之真名井→全地球の表面を覆う所の淡海そのものであります。
淡海(あふみ・あはふみ)は塩の淡い海であり、陰陽等相対に分かれる、その分かれ方の淡い状態。相対に分かれる前の状態。
眞(ま)は美称(褒め言葉)
名(な)はヌナであり、ヌ(渟・沼:水を湛えている所)ナ(名;之)。
井(い)は 中空の水の湧き出る所。
振滌→ゆるやかに打ち振りながら、洗い清める。
75-1
75-2
75−2
佐賀美邇迦美而(さがみにかみて)⇒建速須佐之男命の十拳劔である純白透明の水溶液(地魄)が天之真名井で洗い清められ、そこへ天照大御神(太陽)からの生命線が作用して、一種の霊妙なる醗酵作用・醸造作用が程よい程度に行われて、どろどろした粘液半固体の、生命の宿り得る原形質のようなものが出来るのであります。
佐賀美邇迦美而(さがみにかみて)⇒酒(サは接頭語、ケはカ(香)と同源。神秘な芳香に満ちたもの)を醸みて。サケカミニカミテからサガミニカミテとなるのであります。
於吹棄氣吹之狭霧(ふきうつるいぶきのさぎりに)⇒吹棄(ふきすつる)とは、生命液を霧吹きで吹くように、広く一面に霧状に吹き散らすことであります。
⇒ 氣吹(いぶき)とは、息(いき)吹き・生命(いのち)吹きでありまして、神霊の気息(いき)を吹きかけることであり、生命(いのち)を与えることであります。
霧状に撒き散らされた生命素が、氣吹によって螺旋状に旋回してゆき、種々の体(形)が構成されていって、体を備えた生命体(活現体)が現れるのであります。
⇒狭霧(さぎり)とは、生命液が極めて微小な最小単位の生命素として、細かい細かい霧状になって拡がっていく手前のことであります。
多紀理毘賣命(たぎりひめのみこと)⇒タギリとは煮えたぎるから水の沸騰する状態であります。
奥津嶋比賣命(おきつしまひめのみこと)⇒オクツとは奥津で入り込んだ入江の港を意味するところから、奥の方の下側、人体でいうところの腹にあたります。
市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)⇒イチキとは中津で少し入ったところ、中の方人体でいうところの胸にあたります。
狭依毘賣命⇒サヨリは水の集まりきたって深さを増していき、拡がっていき広さを増す状態をいいます。
多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)⇒タギツとは邉津(ほとり)のことで物事の表面上体人体で云うところの頭をさします。
⇒タギツとは滝の落下する水の津瀬(束ねた)様から水の滝つ瀬となって落下する状態をいいます。
⇒地球上の表面を水とみて三段階の性相に分けてみるとき、上をたぎつひめのみこと、中をいちきしまひめのみこと、下(奥)をおきつしまひめのみことと観ることが出来ます。
→生物の整備された体と観て三つに分けて、頭をたぎつひめのみこと胸をいちきしまひめのみこと腹をおきつしまひめのみこと と観ることができます。
多紀理毘賣命(たぎりひめのみこと)・市寸嶋比賣命(いちきしまひめのみこと)・多岐都比賣命(たぎつひめのみこと)の三神は、駈身神(かけりみしん→神通自在の働きを保持する偉大なる神さま)でありますので、一定の神相・神容に限定されることはありません。その姿は本来自由自在な変身自在の姿なのであります。この三神は、奥・中・表の位置の違いによって、その神性(神さまの働き)を異にするのでありますが、また常に三神が一体化して活動していることでもあり、その総称名を須勢理毘賣命(すせりひめのみこと)と言うのであります。後に出てくる須佐之男命の息女であられ、海洋の女神として地球内部に鎮まっておられるのであります。先ず水性に天上の霊が宿ってこられて、この三神が発現したということからも、地上に生命体が最初に宿ったのは水であり、一切の地上生物はこの三女神を祖神として、水性生物から始まって順次発生してくることになるのであります。
75-2
あめのみなかぬしのかみ が たかあまはら と なり(成り鳴り生り)あめつち(天地)がはじめおこる(初発する)
たかあまはら という 容相(成り)音声(鳴り)生命(生り)になる。
あめのみなかぬしのかみ(隠身絶対実在)の現象表現をたかあまはら と云う。
あめのみなかぬしのかみ(実在)即ちたかあまはら(現象)たかあまはら即ちあめのみなかぬしのかみ
あめのみなかぬしのかみがすべてのすべて。あめのみなかぬしのかみの他には何ものも存在しないのである。
あめのみなかぬしのかみが唯一無二の実在であり、唯一無二の現象である。
一神 即 万生 万有。 万神 万生 万有 即 一神。
たかあまはら(順流無形の神力)
1、たかあ 中心より外に向かって発射し進展する働き(発射神力)
2、た あま 外から中心に向かって凝集する (凝集神力)
3、 かあま 円融無碍に交流する (交流神力)
4、 はら 螺旋状に転回する (螺転神力)
らはまあかた(逆流有形の形状)
1、らは 螺旋状の波の形状
2、 まあか 全 大 多 勝 の形状
3、 まあ た 股 支 分 部 枝 等の形状
4、 かた 片 半 等の形状
かみ とは、かくりみ(絶対神)かごりみ(仮凝身)かがりみ(耀身)かけりみ(駆身)かぎりみ(限身)の5つのことばをつづめたものであって、その1つ又は全体」を指して云う。
つぎに たかあみうむすびのかみ つぎに まあかみうむすびのかみ
たかあまはらには タカアマハラ(順流)とラハマアカタ(逆流)とがある。
タカアマハラは宇宙構成の三大根本神力である。
タカア ハラ 遠心的発射螺旋状神力
タ アマハラ 求心的凝集螺旋状神力
カアマハラ 円融的交流螺旋状神力
ラハマアカタは相(形・容・姿・態)となる螺旋状波
ラハマアカ
ラハマア タ
ラハ カタ
たかあまはら(全大宇宙)には、神力と神相とが本来一体でありながら、相反する両面として働
いていて、「力」の作用で「相」が現れ、「相」の作用で{力」が種々に現れる。
この順逆二つの流れの結合によって、一切の万神万生万有が生み出される。
ミウムスビ(ミ ウム ムスビ)
二つの流れがお互いに結合し、新しいものを生み出してゆく根本創造の働きである。
一切の万神万生万有は在る(ある)のではなく、なる(成る・鳴る・生る)のである。成
るということは単なる存在ではなくて、生成である。生成とは一瞬一瞬 新生し、無限に
伸展することである。不断に無限の創造が続けられて、無限無量の個々性、種々相に活現
することである。
タカアマハラの順流をタカアで代表し、ムスビとカミを付けて、神力系統大祖神と仰ぐ。
「タカア ミムスビ ノカミ」 神力大祖神
タタア(父)系・かむろぎ(神漏岐)系・霊魂系〈霊系)
タカアマハラの逆流をマアカで代表し、ムスビとカミを付けて、神相系統大祖神(体系)
「マアカ ミムスビ ノカミ」 神相大祖神
Q
ママア(母)系・かむろび(神漏美)系・物質系(体系)
あめのみなかぬしのかみの父系(霊系)としての現れが「タカア ミムスビ ノカミ」である。
あめのみなかぬしのかみの母系(体系)としての現れが「マアカ ミムスビ ノカミ」である。