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 小規模家内店舗商売のHACCPに向けての、明日への第一歩!
             実践編


 1,髪の毛を、電着帽から出さない!鼻や口をマスクから出さない!
 

  人の髪の毛は、毎日洗髪しても、100本近く抜けあたらしく生え替わると医学的に証明されています。つまり、作業中に髪の毛が抜け落ちて食品に混入する危険があるということです。
  これが為に、食品事故での第一番の栄誉?に輝く?危険性があるのです。
  最近では、髪の毛混入事故があると、その商品の信用を取引先から失うばかりか、市場での評価も地に落ち、苦情処理として、代替え品との交換および返金や慰謝料の対応、そして、取引先からの原因探求依頼による原因調査費用と労力がかさみます。また製造小売業の場合は噂がうわさを呼んでお店の信用を失います。これは、小規模店舗にとっては致命的要因になりかねません。

 人の口や鼻からは、くしゃみや咳のきっかけで、食中毒の原因となる、ウイルス等を含む飛沫が5メートル近く飛散すると医学的に証明されています。これがそのまま食品の汚染の第一原因になるのですから、マスクの着用は必須で、当然、口や鼻をマスクで覆って出さないことが必要です。又、マスクはその日一日の使い捨てにする必要があります。

 1,のまとめ、
  イ,電着帽をかぶるときは、髪の毛を束ねてからすっぽりとおさまるようにかぶりましょう。
  ロ,作業場内で帽子を脱着するのはやめましょう。帽子をかぶったり取ったりするのは、作業場の外のロッカールーム等の着替えや休憩をする場所でしましょう。
  ハ,作業場に入場する前に、粘着ローラーで肩や背中や肘をお互いにコロコロしあって白衣の付着物(髪の毛等々)を取り除きましょう。
  ニ,体毛の侵入を防ぐために、白衣のそでや足首に縛りのあるものを採用し、白衣着用時の腕まくりは厳禁にしましょう。
  ホ,人の咳やくしゃみは条件によっては5メートルもその飛沫が及ぶといわれています。マスクの着用は徹底し、一日限りの使い捨てとしましょう。
  ヘ,作業員だけではなく、工場内に侵入?する取引先等のお客様にも上記の規定を当てはめて遵守してもらいましょう。


  2,下痢や嘔吐や発熱や連続するくしゃみ等体調不良のときは作業しないこと!

 ノロウイルス等の嘔吐やくしゃみ、接触により食品が汚染される危険性があると、その食品を食べてしまったお客さまに嘔吐下痢等の健康被害を及ぼすおそれがあります。
 また、作業所内にいる他の作業員に感染させてしまうこともあります。
 それに、体調が悪い時に無理して作業すると、ふらついて機械に手を挟まれたり、足を巻き込まれたり機械設備等にぶつかって大けがをしたりします。

 まとめ
  イ、下痢や嘔吐や発熱やくしゃみがあり体調不良のときは、管理者にきっちりと報告しましょう。特に注意が必要なのは、自分は健康でも家族等の同居者にこのような症状がある場合も忘れずに管理者にきっちりと報告しましょう。
   ロ、どうしても作業したい時はその旨を管理者に申告し、食品に直接触れない場所での作業に変えてもらいましょう。
   ハ、作業員だけでなく、作業場に立ち入る可能性のある取引先業者やお客様にも同様の申告をしてもらいましょう。
   ニ、作業員の健康状態は食中毒事故を防ぐために、毎日チェック記録しましょう。(事故が起こった時に役立ちます)


   3,外履きの靴のまま、作業場に入らないようにしましょう!(床は常に清潔に保ちましょう)

    外履きの靴のまま作業場に入ると、靴のうらなどに付着した「細菌・ウイルス」「土」や「ゴミ」などを作用場内に持ち込んでしまい、作業場の床等が汚れて、不衛生な状態になってしまいます。
    作業場が不衛生になると、そこで取り扱う食品の汚染の原因になってしまいます。


  イ、作業場内に入る時は、外履きから作業場内の履き物(作業靴や長靴等々)に履き替えましょう。
  ロ、トイレには専用の履き物を設置して、履き替えるようにしましょう。
   ハ、作業員だけではなく、作業場に入る、仕入れ先やお客様にも履き替えができるように、予備の作業靴やスリッパを用意しておく必要があります。


    4,細菌・ウイルス汚染の原因や異物混入の原因となるものの持ち込み・身なりはやめましょう!

    時計や指輪を身につけたまま手洗いをすると、その指輪等の裏側が洗い残しになり、有害細菌が繁殖して不衛生のもととなります。また、ピアス等の装飾品は自分では気づかない内に外れて食品に混入する危険性があります。
   汚れたままの作業着は汚れ、ホコリ、細菌・ウイルスの混入原因となります。指先の長い爪は従業員のけがや製品の破損、細菌・ウイルスの混入原因となります。


  まとめ
    イ、作業前に作業員どうしでお互いの身なりや手指をチェックしましょう。(作業前衛生チェック表を使うとよい)
    ロ、異物混入や細菌・ウイルス汚染の原因となるかもしれない私物(飲み物、お菓子、携帯電話等々)や事務用品(クリップやホッチキス等々)は作業場に持ち込まないようにルールとして徹底しましょう。
   ハ、白衣は出来るだけポケットのないものを選びましょう。

   ニ、作業場の筆記具は異物混入の原因とならないように、シャープペンシルや鉛筆は止め、ボールペン(キャップのないもの)を使用しましょう。キャップ付きのボールペンははずれたキャップが異物になりやすいので注意が必要です。
   ホ、作業員だけでなく、作業場に出入りする、仕入れ先やお客様にもルールを守ってもらいましょう。


    5,水洗いだけの手洗いでは不十分です。!洗剤を使いましょう。まずは30秒間の流水での洗いから・・・・

   手洗い用のせっけんや洗剤には、細菌・ウイルスや油などの付着物を落とす成分、細かい隙間の汚れを取り除く成分などが入っています。それらを使った正しい手洗い法によって、はじめて水だけでは洗い流せない細菌・ウイルスや汚れなどをきれいに洗い流すことができます。ただし、いきなり石けんをつかってはいけません。まずは水だけで30秒間手をもみ洗いします。これだけで80%の細菌やウイルスを洗い流すことができます。そののち、指紋や爪の間に入っている汚れや細菌・ウイルスを爪ぶらし等を使って洗剤とともに洗い流すことが必要です。
 もし、不用意に汚れたままの手で食品を取り扱うと食品に汚れや細菌・ウイルスが付着しますので、作業開始前のほか、トイレの後やゴミ処理の後や汚いものに触れた後やデスクワーク(事務処理)や掃除の後等々必ず手を洗いましょう。

  まとめ
   イ、正しい手洗いのルールを決めましょう。
   ロ、手洗い場所に「手洗い方法」を掲示して作業員が正しい手洗いをできるようにしましょう。
  ハ、いつでもせっけん、消毒液、紙タオルが使えるように準備しておきましょう。

   アルコール消毒液を使用する場合の注意点

    手に水分が残っていると効果が落ちますので、アルコール消毒の前に、紙タオルでしっかりと水分をふき取ってから使用しましょう。
   アルコールを手に吹きかけたら、紙タオルで拭かずに、手に揉み込むようにして自然にアルコールを乾燥させましょう。要注意としては、ノロウイルスには効果がありませんので、安心しないでください。


  6,手指に傷や手荒れがある場合には手袋を着用しましょう。!


   手の傷口や荒れた手に食中毒の原因となる黄色ブドウ球菌が増殖している場合があります。手袋をせずに素手のままで作業すると食品が黄色ブドウ球菌に汚染される恐れがあります。(これにより、実際の食中毒が発生した事例が多々あります)
   また、かさぶたや皮膚などが食品に混入することがあり、衛生的ではありません。
   食品に触れる可能性がある手指の傷などは、消毒、絆創膏などで適切に処置した後、必ず手袋を着用しましょう。

  まとめ
   イ、手に傷がある作業員は、傷が治るまで食品に触れない業務に従事することが理想です。

  ロ、やむをえず食品を取り扱う業務を行わなければならない場合は、傷の処置と手袋着用などの異物混入対策を確実に実施しましょう。

  ハ、手袋は必ずサイズのあったものを着用しましょう。

  ニ、作業場で使用する絆創膏はバンドエイドのように、目立たない肌色ではなく、あか、黄色の目立つ色に統一したものにすると、万が一の混入の場合でも出荷前に容易に発見しやすくなります。又、金属網の入った金属探知機に反応するバンドエイド(ブルーバンデージ アルミパッド入り 絆創膏 異物混入防止 青色絆創膏 ブルーバンデージは金属検出器で探知できるので、異物混入対策に最適。ヤマノ商事(株)http://www.yamano-trd.jp/blue-bandages.htm)がありますので、金属検知器がある場合は有効です。

  ハ、お客様が加熱せずにそのまま食べる食品の場合はかならず、手袋を着用します。 


   7,洗っていない調理器具を使い回すのはやめましょう!




   使用した調理器具類は、ただちに洗う、すぐにシンクに運ぶなどして放置しないようにしましょう。
   洗浄した調理器具類は、使用目的により殺菌も忘れずに行いましょう。
   しっかりと乾燥させてから保管しましょう。
   包丁、真名板(まな板)は、肉、魚、野菜、それぞれの種類ごとに、また下処理用、加熱調理品用および生食用の使用目的ごとに、板状(形、大きさなど)や色で区別しわかりやすいものを用意しましょう。特に、アレルギー物質を含む食材を使用する場合は、調理器具類の使い回しや洗浄方法に十分な注意が必要です。→えび、かに、小麦、そば、玉子、乳、落花生以上は要注意、アワビ、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、クルミ、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン以上は注意が必要です。


   8,調理器具は清潔な場所に保管しましょう。

    せっかくにきれいに洗った調理器具類も、不衛生な調理台の下、ゴミ箱などに置くと、細菌・ウイルスや食材のカスで汚染されることがあります。清潔な場所で伏せて水分を良く切って保管するなどの工夫が必要です。

    まとめ
    調理器具を保管する場所は、作業中に食品が付着したり、床や作業台の作業・洗浄時に汚れや洗浄水が飛び散ったりすることのないような清潔な場所を選びましょう。
   きれいに洗浄した調理器具類は常に清潔に維持されていることが大切です。ですから調理器具類の保管場所についてもしっかりと清掃しましょう。
   清掃した調理器具類は乾燥した場所で保管しましょう。、湿気の多い場所でhが、洗い落とし切れなかった細菌が増殖して繁殖します。


   9,食材、仕掛品の使用期限や先入れ、先出しを守りましょう。



  使用する食材や著理途中の仕掛品は、使用期限内で古い日付のものから使用しましょう。そのためには、「賞味期限」、「消費期限」などの日付等を食材や仕掛品にわかりやすく、見やすく表示しておく必要があります。

   まとめ   
   イ、表示する期限(日付等)は、製造日、賞味期限、消費期限、使用期限等の中からわかりやすい日付を選ぶと間違いが少ないです。
   ロ、新たらしい食材や仕掛品は古いものよいりも奥・下の法に置くようにすると先入れ先出し管理が簡単になります。また、複数個の仕入れがある場合は、たとえば8ケースの仕入れがある場合は、87654321のように、番号を打っておき、一番多い数の8から順番に使っていくようにするとあと残りの数がいくつかがすぐわかり、最後の1の箱に発注書を貼り付けておくと在庫切れを防ぎまた二重仕入れをして在庫がふくらみ使い切れずに起こる賞味期限切れを防ぐことができ、また、在庫管理資材管理も容易になります。
   ハ、使用するときは、使用できる期限内の食材、仕掛品であることを確認しましょう。
   一度開封した場合は使用期限を記入し、賞味期限内であっても使用期限を過ぎたものを使用するのは止めましょう。


    10,調理済みの食品は汚染しないように保管しましょう。

   調理前の肉類や魚介類は、食中毒の原因となる細菌・ウイルスが付着していることがあり、調理済みの食品と一緒に保管していると交差汚染の原因となります。特に生のまま食べるサラダや刺身、調理済みの食品がなどが汚染されると、食中毒の原因となり注意が必要です。


   まとめ

    イ、冷蔵庫内で食材や仕掛品を保管する場合には、次の点に注意しましょう。
   1,冷蔵庫内が不衛生で汚れていると、保管している食材が細菌・ウイルスなどに汚染される事がありますので、定期的に、あるいは汚れた際は、アルコールを吹き付けて紙ペーパでふき取って掃除しましょう。
    2,冷蔵庫内で保管する食材には覆いをして、他の食材からの汚染がないように注意しましょう。また、肉や魚、野菜をやむを得ず同じ冷蔵庫で保管する場合には、ビニール袋や、タッパーなどのプラスチック容器に入れて、交差汚染がおこらないように注意しましょう。

   11,食品を不衛生な場所で保管するのはやめましょう!

    食材、仕掛品、製品を床や汚れた作業台の上に置くと、細菌・ウイルスやゴミが付着して、開封・使用時に汚染したり、異物が混入することがあります。
   食材、仕掛品、製品は衛生的でかつ、それぞれに表示された温度帯等を守り適切に保管することが大切です。


    まとめ
   イ、食材や製品は床に直置きしなくてもすむように、保管場所を確保しましょう。
    ロ、食材を取り扱う場合は、床面から60p以上の場所で保管しましょう。また直接の汚染を防ぐ事ができる容器に入れられたものは床面から30p以上の場所で保管しましょう。
    ハ、食材や製品は露出させないようにラップ等で覆いをするようにしましょう。
    ニ、冷蔵や冷凍の食材、仕掛品、製品は、衛生的な場所かつ適切な温度帯で保管しましょう。

   12,食品を品質が劣化するような状態で保管するのはやめましょう!


    食材、仕掛品、製品を直射日光があたらう場所などで長時間放置すると、細菌の増殖や油の酸化などにより品質が劣化することがあります。
    食材、仕掛品、、製品は、直射日光が当たるのを防ぐと共に、それぞれに表示された温度帯等を守り適切に保管することが大切です。


    まとめ    
     イ、一時保管する場合は、アルミ製の断熱シート等でカバーしましょう。
    ロ、れいぞうや冷凍の食材、仕掛品、製品を保管する場合は、きちんと温度管理できる場所で保管しましょう。
    ハ、冷蔵は10度以下、冷凍はマイナス18度以下で保存しましょう。なお、食品衛生法、JAS法等に法的に基準のあるものについては、当然、当該基準に従わなければなりません。
   ニ、冷蔵庫の開閉は最小限にし、庫内温度の上昇を防ぎましょう。
   ホ、冷蔵庫の詰め込みすぎは温度管理が適切にできなくなりますので、常に整理し、余裕をもって保管しましょう。
   ヘ、冷蔵庫や冷凍庫の温度は、毎日確認と記録をしましょう。(製造記録等を作っておくと良いです)


13,床に落ちた食材を使用してはいけません!

床は最近・ウイルスに汚染されていたり、ゴミなどが落ちていますので、床に落ちた食材は、最近細菌・ウイルスだけでなくゴミなども付着します。開封した食材を床に落とした場合、洗ったり、加熱するからといって再使用することは非常に危険です。洗浄や加熱で殺菌滅菌できることはありません。必ず、廃棄しましょう。

 まとめ

イ、落ちた瞬間のほんの一瞬で細菌やウイルスは付着します。すぐに拾い上げれば大丈夫とか3秒以内なら大丈夫というのは迷信です。

ロ、あとで洗ったり、加熱するからといっても、決して完全に殺菌されませんので、落ちた食材を使用するのは厳禁です。たとえ洗ってもゴミや異物が刺さり込んで、洗っただけでは取り除けないことが多いのです。
ハ、床に落ちた食材に触れた場合は、作業に戻る前に必ず手を洗いましょう。

14,異なる冷凍食材を一つの容器で解凍するのはやめましょう。

冷凍された食材の袋は破れやすく、また、破れが目立たないことから、袋から流出したドリップ(解凍された肉や魚から出る液体)によろ他の食材が汚染されることがあります。解凍するときに一つの解凍容器(浸漬桶等)に異なる食材を入れて解凍することはやめましょう。

  まとめ、
イ、解凍後、そのまま放置していると細菌が増殖することがありますので、正しい、解凍方法と解凍時間を守って、行いましょう。
ロ、冷蔵庫内にて解凍する場合は、流れ出てくるドリップで、周囲の食材を汚染しないようにビニール袋等に入れるようにしましょう。
ハ、また、ドリップが出るような冷凍食材を解凍する場合は、隣りあわせの位置や棚同志での置き場所に注意を払い、できるだけ解凍するものは床面に近い下の棚で解凍するように心がけましょう。

15,決められた処理量、加熱温度と加熱時間を守りましょう。

食品はしっかりと加熱することで殺菌したり、細菌の数を減らしたりウイルスの滅菌をしたりすことが出来ます。しかし、決められた処理量や加熱時間を守らないと、食品の中心の温度が上昇せずに、中心部における細菌を死滅させることが出来なくなります。

 まとめ
イ、食品を加熱するときは、食品の中心部の温度を測ることができる温度計を用いて、十分な温度に達していることを確認しましょう。
ロ、温度計で中心温度をはかることができないようであれば、食品の内部の色などをカットして観察し、決められた状態になっていることを確かめましょう。
ハ、食品を油であげる等の加熱加工するときは一度にたくさんの食品を加えると油温が下がり、普段の調理時間では十分に中心温度があがらないことが起こりますので、一度の油中に投入する数をマニュアルで決め、所定の加熱時間で調理するようにしましょう。
ニ、品質のばらつきを防ぐために、加熱した食品と加熱した時間と温度と加熱した直後の食品の中心温度を記録しておきましょう。→製造記録表をつくること。

 16,決められた処理量、冷却温度と冷却時間を守りましょう。
   

食品は加熱した後に、速やかに(すみやかに)冷却しないと、温度がゆるやかに下がるにつれて生き残った細菌が再び増えてしまう危険があります。このようにならないために、加熱後の食品を冷却する時に、所定の処理量、所定の冷却温度、所定の冷却時間を守る必要があります。
 加熱後はできるだけ短時間に、細菌が増殖する温度帯である50度から15度を短時間に通過させ、5度以下になるようにしなければなりません。

 まとめ
 イ、食品を冷却したときは、中心温度を測る事の出来る温度計をインターネット等で購入し、中心部の温度があらかじめ設定した冷却温度になっていることを確認しましょう。
 ロ、冷却は、冷蔵庫に入れるだけではなく、扇風機やスポットクーラーなどで風をあてて食品から熱を奪うことが重要です。冷蔵庫に入れる前に粗熱をとる工夫が必要です。
 ハ、また、小分けにしたり、アルミのバットに伸ばして表面積を大きくして風をあてるのは効果的です。特に、あんこ等は小分けして冷却することは砂糖の焼けを防ぎ、あんこ仕上がり時の 変色を防ぎ、後味等の風味の向上に役立ちます。
 ニ、品質のばたつきを防ぐために、冷却した食品の名前、冷却温度や時間、冷却後の食品の品音を正しく記録しておきましょう。(→製造記録として保管のこと)
   

 17、床、排水溝の清掃を怠らないようにしましょう!

 食品カスやショートニング等の油かすや汚水が床や排水溝に溜まったままになって滞留していると、細菌が繁殖して悪臭を発生させます。さらに、それら油かすをえさにしてゴキブリが巣をくんで大量発生したりその他の害虫のすみかになったり、外部からそのにおいによって、虫やねずみを引き寄せることになります。

  まとめ
  イ、作業終了後は、毎日床をデッキブラシで洗い、水気をスイーパーでぬぐってしっかりと水切りをしましょう。床はできるだけ乾燥させることが大切です。もし、床を新たに作る場合は、沖縄の名人の左官をよんで、50分の1できれば75分の1排水傾斜もしくは理想は100分の1排水傾斜にすると、長時間の立ち仕事でも体調を崩さなくてよいです。100分の1排水傾斜とは、オリンピック等の世界記録の公認記録をとる走路の排水傾斜です。
  ロ、排水溝はフタを外して洗うのが基本です。もちろんフタの裏側もきれいにします。そして排水溝の角の部分に食品カスが残らないようにきれいに清掃しましょう。10000円程度の安物の高圧洗浄機を用いると簡単にきれいになり、また、跳ね返りが少ないので周囲も汚れず便利です。
  ハ、排水溝の上に作業台や大型機器を設置すると、排水溝のフタが外せなくなり、清掃することが困難になり不衛生になります。きちんと掃除ができるように機器類の設置位置に注意することが監督者の責務です。(5S点検表をつけるとよいです)

 昆虫の侵入を防止するために・・・・。
  作業場のドア、窓は閉め切りが理想ですが、作業上締め切りが困難な場合、網戸を設置するなどして虫などの侵入を防ぐ必要があります。
  ドアについても黄色のビニールカーテンなどを設置のうえ(黄色は虫が寄ってこない)、使用時以外は常時締め切りとしましょう。
 排水口は、たとえトラップをもうけていてもトラップの天上でゴキブリが繁殖します。理想は、沈殿槽を兼ねた排水桶(20から40リットルほど)を設置し、水中ポンプで排水し、水中ポンプ直後に逆止弁を取り付けて虫やねずみの侵入を防ぎます。

18,清掃用具を「汚れたまま」「ぬれたまま」にするのはやめましょう!

  たわし、スポンジ、モップ、ぞうきんなどの清掃用具を「汚れたまま」「ぬれたまま」にしておくと、細菌やカビが増殖することがあり、その状態で、作業場を清掃すると、そうじすることによって かえって汚染をひろげることになります。作業場の汚染はそこで生産される食品も不衛生になることになります。

   まとめ
  イ、使用した清掃用具は風通りの良い場所で乾燥させたのち、所定の保管場所で衛生的に保管しましょう。(SS点検表をつけること)
  ロ、清掃用具を作業場に保管する場合は、食品からできるだけ遠ざけ、衛生的に管理された場所が望ましいでしょう。
  ハ、清掃用具は、屋外で使用するもの食材の下処理で使用するもの、調理済みの食品の作業場で使用するものなど、衛生レベルに応じて使用するものを区別しておきましょう。

 19,「消費期限」の確認を怠らないようにしましょう!

 消費期限を誤って表示したことによって、商品回収を行うことになった例があとを絶ちません。表示を誤った原因としては印字日付の設定・確認ミス、印字後の確認ミスなどがあります。
 商品を回収することになった場合、お客様や取引先さまからの信頼を失うほか、回収に多くの費用と労力がかかります。

  まとめ、
 イ、印字装置やゴム印の日付を設定する場合は、必ず複数の作業者で設定した日付に間違いがないことを確認しましょう。また、日付は作業指示書、カレンダーなどで確認しましょう。
 ロ、日付を印字した製品についても、複数の作業者で確認しましょう。なお、確認するポイントは次の通りです。
  @設定した日付に誤りがないか
  A印字場所に誤りがないか
  B印字にかすれ、欠け、にじみ、抜け・もれなどはないか
  ハ、特に年や月が切り替わるタイミングでは誤りが多くなりますので、注意が必要です。

 ニ、日付を印字した袋などの包材から日付部分を切り取って、日付確認チェックシートやノートに貼り付けて記録しておくと、より確実な確認・点検ができます。