グルテンの形成

SS交換反応によるグルテンの形成

 1、グルテンはSS結合で架橋したたんぱく質のネットワーク構造を持つ。

 2、弾性部分はSS結合が受けもち粘性部分はSH結合が受け持つ。

 3、生地にSH基が多いとSHSS交換反応がおこって、弾性のとぼしい生地となる。

 4、酸化剤を添加するとSH基を酸化させてやるとSH基が減少してSHSS反応がすくなくなって生地伸びのちいさな弾力に富んだ生地となる。 極端に酸化剤を増やすとSH基がほとんどなくなり交換反応が阻止されて切断されたSS結合が再架橋されることがなくなりダウンした状態になる。

 

非競合結合でのグルテン形成

 

球状のグリジアニンと棒状のグルテニンは、イオン結合、水素結合、疎水結合などのちからにより競合せずにくっつきあっている。

 1、グリジアニンは表面積が小さいので、粘性に富む。

 2、グルテニンは表面積がおおきいので、ともに繋がりあい弾性に富む。

 3、このふたつの位置関係により適度の弾性とん粘性を持つようになる。

 

酸化剤による生地改正システム

 1、SH-SS交換反応によってグルテンを形成しているSS結合が破壊されたり、低分子SH化合物が添加されると蛋白質の相互反応がよわまり、パン生地はやわらかくなる。

 2、酸化剤を添加するとSH基がなくなるので、SH-SS交換反応はなくなり生地の物性変化がすくなくなる。